バイオガソリンをめぐる対立

バイオエタノールの混合方式を巡って、ETBE方式を主張する石油業界と直接混合方式を主張する環境省が対立し、バイオガソリン普及の障害となる可能性がある。

今回試験販売されるのはETBE配合方式のガソリンである。

ETBE方式は、既存の製油所の施設が流用でき、石油業界は「品質劣化につながる水分の混入などを防ぎ、ガソリン税の脱税も防げる」(渡文明・石油連盟会長)と主張する。

しかし、ETBE方式ではバイオエタノールの混合率引き上げが技術的に難しいという問題がある。

政府は、将来的に混合率を10%に引き上げることを検討している。若林環境相は「(直接混合方式の)ブラジルや米国、カナダでも日本車が走っている。(直接混合に)技術的な問題があるとは思えない」と、石油業界に反論する。

農林水産省幹部は「石油業界は元売りを頂点とする中央集権的な石油の流通システムを維持したいのが本音だ。環境省も業界との調整作業を怠ってきた」と指摘する。

自動車業界としてはどう考えているのだろうか。自動車工業会の張富士夫会長はバイオガソリンについて、「どちらがいいかと言えば、石油連盟が言っているETBEでやるほうがいいのではないかと思う。勝手に混ぜられるとえらいことになってしまう。それによって、自動車のエンジンが不調になったり、壊れてしまっては困る」

たしかに言い分はもっともであるが、海外では、米国やブラジル、中国などでバイオエタノールを直接ガソリンに混合している。また、ETBE方式を取り入れた国がある欧州連合(EU)でも、直接混合方式を取り入れようという動きが出ている。

未来の環境に直接かかわる問題だけに、業界団体の思惑や国の主導権維持などに縛られることなく、本当に環境のためになる取り組みをして欲しい。

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