環境や食料へ影響

「地球温暖化対策の切り札」として脚光を浴びているバイオエタノールだが、改善すべき問題点は深刻である。それは、食料問題や環境問題への影響である。

環境対策のためのエネルギーがかえって環境問題を引き起こすとしたら笑い話では済まされない。

バイオガソリンをすでに実用化しているアメリカでは、2005年にトウモロコシから1600万klのバイオエタノールを生産し、さらに、ブッシュ大統領は2017年までにエタノールを柱とした代替燃料を1億3000万klに拡大する目標を打ち出した。その後、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格が急騰。一時は1年前の2倍近い水準になった。

エタノール原料の穀物生産を増やすと他の品目の作付面積が減少し、価格が上昇する。また、森林をエタノール用作物の生産用に転用するとCO2吸収源が減る。

環境研究の第一人者であるアース・ポリシー研究所所長レスター・ブラウン氏は、穀物を原料とするバイオ燃料ブームは食料価格を上昇させ、穀物を輸入する低所得国に飢餓を広げ、政治的不安定を生み出す、この不安定は世界の経済発展を途絶させると警告している。

実際に、アメリカでは、中国などの需要拡大に加え、トウモロコシとの競合が強まる大豆が2003年ごろから高騰。そして世界第2位の大豆生産国ブラジルで、アマゾン川流域の熱帯雨林を切り開いて大豆を作付けする動きが広がっている。

これは時代に逆行しているといえないだろうか。

日本国内でも、トウモロコシや大豆を使う畜産飼料や植物油など食品の価格に影響が出始めており「本来は食料に充てるべきものをエネルギー源として使うのはいかがなものか」との声もある。

また、バイオガソリンが発売された2007年4月27日以降、大手飲料メーカーが果汁ジュースの値上げを発表している。これは、果樹栽培からバイオエタノールの原料となるサトウキビ栽培への転作が増えているからだ。思わぬところで余波が広がっている。

参考記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070429-00000302-yom-bus_all

そんな中、従来の2倍以上の収穫ができるサトウキビが新しく開発された。それは何を隠そう、日本のアサヒビールと九州沖縄農業研究センターとの共同研究である。つまりそれならば、砂糖の生産量を確保しつつ、バイオエタノールも作れるのだ。

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